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発生土量の計算方法|掘削容積からダンプ台数までの実務手順

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発生土量の計算方法|掘削容積からダンプ台数までの実務手順

工事の積算・搬出計画を立てる際に「発生土が何m³出るか」「ダンプは何台必要か」という計算を正確に行えていない担当者は意外と多い。特に土量換算係数(L値)を考慮せずに計算すると、実際の搬出台数が設計値を大幅に超えるという「現場の混乱」が起きやすい。

本記事では、設計図書の掘削数量から実際の搬出量(ほぐし土量)・必要ダンプ台数を計算するステップを、計算式と早見表を使って解説する。


目次

  1. 土量計算に必要な3つの基本概念
  2. 発生土量の計算ステップ
  3. 土量換算係数(L値)早見表
  4. ダンプ台数の計算方法
  5. 土量計算でよくある間違い
  6. まとめ

1. 土量計算に必要な3つの基本概念

概念1: 地山土量(自然状態の土量)

工事で掘削する前の、地中にある自然の状態の土量。設計図書に記載されている掘削数量はこの地山土量で表される。単位はm³。

概念2: ほぐし土量(搬出する土量)

掘削してほぐした後の土量。地山状態より体積が増加する(土粒子間に空気が入るため)。ダンプトラックに積載して搬出する際の実際の体積がこれだ。

ほぐし土量 = 地山土量 × 土量換算係数(L値)

概念3: 締め固め土量(盛土後の土量)

盛土として締め固めた後の土量。ほぐし土量より体積が減少する(締め固めにより密度が上がるため)。

締め固め土量 = 地山土量 × 土量換算係数(C値)

発生土の搬出計画では「ほぐし土量」を使う。盛土の設計では「締め固め土量」と「地山土量」を使い分ける。


2. 発生土量の計算ステップ

ステップ1: 設計図書から地山土量を読み取る

設計図書(平面図・断面図・土量計算書)から掘削数量(地山m³)を確認する。

計算例

  • 掘削範囲: 幅15m × 長さ50m × 深さ3m
  • 地山土量: 15 × 50 × 3 = 2,250m³(地山)

複雑な形状の場合は断面積法(各測点間の断面積の平均×距離)で算出する。設計CADデータがある場合は体積計算機能を使う。

ステップ2: 土質を確認してL値を決める

工事地点の土質(砂質土・粘性土・礫質土等)に応じたL値(ほぐし率)を採用する。L値は以下のステップで決める。

  1. ボーリング柱状図・地質調査報告書から土質を確認する
  2. 土質に対応するL値を採用する(次章の早見表を参照)
  3. 複数の土質が混在する場合は、各層の割合でL値を加重平均する

ステップ3: ほぐし土量を計算する

ほぐし土量(m³)= 地山土量 × L値

計算例(砂質土・L値1.15の場合)

  • ほぐし土量: 2,250m³ × 1.15 = 2,588m³

ステップ4: ダンプ台数を計算する

必要ダンプ台数 = ほぐし土量 ÷ ダンプ積載量(m³)

計算例(10tダンプ・積載量8m³の場合)

  • 必要台数: 2,588m³ ÷ 8m³ = 323.5 → 324台

小数点以下は切り上げる。実際には積載量が安定しないためバッファ(5〜10%増し)を見込むことが多い。


3. 土量換算係数(L値)早見表

L値は土質・工法・現場条件によって変化するが、以下の数値が実務での標準値として広く使われる。

土質区分 L値(ほぐし率)の目安 備考
1.10〜1.20 均一な砂は低め、粒度幅広い砂は高め
砂質土 1.10〜1.25 最も一般的な土質
礫混じり砂 1.10〜1.30 礫の割合が高いほどL値大
1.10〜1.35 礫の形状・粒径によって変動
粘性土(軟) 1.20〜1.30 含水比が高いと高め
粘性土(硬) 1.25〜1.45 硬い粘土はほぐれにくく体積増大
シルト 1.20〜1.35
岩(軟岩) 1.30〜1.50 爆破・大割後の体積
岩(硬岩) 1.50〜1.70 岩盤質によって変動

実務上の注意点 国土交通省の土木積算基準(令和版)では土質ごとの標準L値が示されている。公共工事の積算ではこの基準値を使うが、地盤調査データがある場合はより精緻な値を採用することが推奨される。


4. ダンプ台数の計算方法

1日の最大搬出量とダンプ台数の関係

ダンプ1台の1日の搬出回数は、現場からの距離(サイクルタイム)によって決まる。

片道距離 1台あたりのサイクルタイム 8時間で往復回数 1台・1日の搬出量(8m³積み)
5km 35分 13回 104m³
10km 50分 9回 72m³
20km 70分 6回 48m³
30km 100分 4回 32m³

必要台数の計算式

必要台数 = 1日の目標搬出量(m³)÷ 1台・1日の搬出量(m³)

計算例(1日500m³搬出・片道10km・10tダンプ)

  • 1台・1日の搬出量: 72m³(8m³×9回)
  • 必要台数: 500m³ ÷ 72m³ = 6.9台 → 7台

工事全体の搬出日数

搬出日数 = ほぐし土量 ÷ 1日の搬出量

計算例(ほぐし土量2,588m³・1日500m³)

  • 搬出日数: 2,588m³ ÷ 500m³ = 5.2日 → 6日(余裕を見て)

この計算で工程表への搬出スケジュールの組み込みができる。


5. 土量計算でよくある間違い

間違い1: L値を考慮しない

設計の掘削数量(地山m³)をそのままダンプ台数計算に使うと、実際の搬出量が15〜30%多くなり、台数・費用が不足する。

間違い2: ダンプの積載量を最大値で計算する

10tダンプの最大積載量は10tだが、土砂の重量密度によって積載m³が変わる。重い粘性土(2.0t/m³)では10t÷2.0=5m³しか積めない場合がある。積載量は重量制限と容積の小さい方で計算する。

間違い3: 一日中フル稼働を前提にする

積み込み待ち・交通渋滞・現場内移動時間等でロスが生じる。実態では計算上の往復回数より15〜20%少なくなることが多いため、バッファを見込んだ計算が必要だ。

間違い4: 混在土質のL値を単純化する

砂質土と岩盤が混在する工事で砂質土のL値しか適用していないと、岩盤層の搬出量を大幅に過少見積もることがある。土質別に分けて計算する。


まとめ

発生土量の計算は「地山土量×L値=ほぐし土量→台数計算」の3ステップで行う。L値は土質によって1.10〜1.70と大きく異なるため、地質調査データに基づいた正確な値を採用することが重要だ。

計算を正確に行うことで搬出計画の工数削減・見積もり精度の向上・受入先への的確な情報提供が可能になる。搬出先の確保は早期に行い、土量・搬出スケジュールを正確に伝えることで受入先との条件交渉もスムーズになる。

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