法規制

再生資源利用促進計画書の書き方【対象工事・記載事項・掲示・5年保存】

ツチオク編集部 約13分で読了 146 回閲覧

再生資源利用促進計画書の書き方【対象工事・記載事項・掲示・5年保存】

再生資源利用促進計画書は、資源有効利用促進法にもとづいて元請業者が作る書類だ。名前が長いうえに、よく似た名前の「再生資源利用計画書」が別に存在するため、現場では取り違えが起きやすい。

しかも令和5年1月1日施行の省令改正で、作成対象が土砂1,000m³以上から500m³以上に広がり、保存期間が1年から5年に延び、発注者への説明現場掲示が義務になった。1,000m³基準の感覚のまま「うちは対象外」と判断すると、そのまま義務違反になる。

この記事では、2つの計画書の違いから記載事項、掲示、保存までを国土交通省の資料と公開様式にもとづいて整理する。


目次

  1. 「利用計画」と「利用促進計画」は別物
  2. 作成対象になる工事の規模
  3. 何を書くのか(記載事項)
  4. 添付する確認結果票
  5. 現場掲示のルール
  6. 発注者への提出・説明・報告
  7. 5年保存と、保存すべきものの範囲
  8. 様式とシステム(建設リサイクル報告様式・コブリス
  9. よくある抜け漏れ
  10. まとめ

1. 「利用計画」と「利用促進計画」は別物

まずここを固める。名前が似ているが、根拠省令も対象も違う。

再生資源利用計画 再生資源利用促進計画
根拠 再生資源省令(建設資材を搬入する際の省令) 指定副産物省令(建設副産物搬出する際の省令)
何の計画か 資材を搬入するときの計画 副産物を搬出するときの計画
様式の名称 再生資源利用計画書-建設資材搬入工事用- 再生資源利用促進計画書-建設副産物搬出工事用-

覚え方はシンプルで、「促進」が付くほうが出す側だ。残土を場外に出す工事で必要になるのは、促進計画のほうになる。搬入と搬出の両方がある工事では、両方を作ることになる。


2. 作成対象になる工事の規模

令和5年1月1日施行の省令改正後の数量要件は次のとおり。施行日以降に新たに契約する工事に適用される。

再生資源利用促進計画(搬出側)

対象品目 数量要件
建設発生土 500m³以上(改正前は1,000m³以上)
コンクリート塊・アスファルトコンクリート塊・建設発生木材 合計200t以上

再生資源利用計画(搬入側)

対象品目 数量要件
土砂 500m³以上(改正前は1,000m³以上)
砕石 500t以上
加熱アスファルト混合物 200t以上

500m³は、10tダンプでおよそ80〜90台に相当する規模だ。宅地造成、道路改良、規模の大きい基礎工事はほとんど該当する。土量の見積り方法は発生土量の計算方法を参照してほしい。

なお、この改正と同時に政令も改正され、勧告・命令の対象事業者の基準が年間施工金額50億円以上から25億円以上へ引き下げられている。監督が及ぶ範囲も広がっている。


3. 何を書くのか(記載事項)

国土交通省が示す計画書のイメージでは、次の内容が並ぶ。

  • 請負会社(元請業者名)
  • 工事所在地
  • 建設発生土の量(m³)
  • 搬出先(工事名と数量/処分場名と数量を、行き先ごとに分けて記載)
  • コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、建設発生木材の各項目

要は「どこへ、どれだけ出すか」を行き先別に書く書類だ。搬出先が複数なら複数行に分ける。実務上いちばん厄介なのは、着工時点で搬出先が決まっていないケースだ。

決まっていないまま着工すると、計画書に書ける行き先がなく、後から搬出先が確定するたびに計画を作り直すことになる。省令上、計画に変更が生じたときは速やかに計画を作成して変更内容を発注者に報告する必要がある。搬出先が転々とするほど事務が増える構造になっている。

搬出先の早期確保については工程に間に合う搬出先を確保する段取りの作り方にまとめている。


4. 添付する確認結果票

令和5年5月26日施行の省令改正(第2弾)以降、計画書には確認結果票が添付資料として付く。以降に新たに契約する工事が対象だ。

確認結果票には2種類の確認結果を書く。

土砂の搬出に係る土壌汚染対策法等の手続確認結果

工区ごとに結果区分を記載する。国土交通省の様式例では、区域指定地域に該当し所管の都道府県等へ汚染土壌の区域外搬出に関する確認済みの場合が区分①、手続確認済(搬出可能)が区分②として示されている。区分①の場合は建設発生土ではなく汚染土としての取扱いになる旨が注記されている。

建設発生土の搬出先確認結果

搬出先ごとに、盛土規制法許可地等であるかの確認結果を書く。様式例に登場する確認結果と詳細の組み合わせは次のとおり。

確認結果 詳細欄の記載例
公共施設用地等 分類:道路/管理機関名:〇〇河川国道事務所
盛土許可等 盛土規制法第12条許可(許可番号)/盛土規制法第21条届出(届出日・自治体)
規制未指定 採石法第33条の採取計画認可(登録番号)/国交省登録ストックヤード番号

搬出先を選ぶ段階で、相手が「どの根拠で土を受けられるのか」を聞いておかないとこの欄が埋まらない。受入先の見極め方は残土処分業者の選定基準を参照。


5. 現場掲示のルール

令和5年1月1日施行の改正で、計画を工事現場の公衆の見えやすい場所に掲示することが義務になった。あわせて、デジタルサイネージによる掲示やインターネットによる公表に努めることとされている(努力義務)。

これに対応して、国土交通省は公開している参考様式に掲示様式のシートを追加した。既存の再生資源利用(促進)計画様式に入力した内容が、「発注者の商号、名称又は氏名」の記入を除いて掲示様式へ自動的に転記される仕組みになっている。掲示用に別途作り直す必要はない。

確認結果票も同様に現場掲示の対象だ。計画書だけ貼って確認結果票を貼り忘れる、という抜けが起きやすい。


6. 発注者への提出・説明・報告

省令改正で、元請業者には発注者に対する次の対応が課された。

  1. 計画の作成後速やかに、発注者に計画を提出し、その内容を説明する
  2. 計画に変更が生じたときは、速やかに計画を作成し、その変更内容を発注者に速やかに報告する
  3. 建設工事の完了後速やかに実施状況を記録し、発注者から請求があったときは実施状況を報告する

これは契約書側にも反映されている。中央建設業審議会は令和4年9月2日に標準請負契約約款の改正を勧告し、資源有効利用促進法により再生資源利用促進計画の作成を要する工事では、受注者は工事の施工前に発注者へ計画を提出して説明しなければならず、完成後に発注者から請求があったときは実施状況を報告しなければならない旨が注記された。公共工事標準請負契約約款と民間建設工事標準請負契約約款(甲)の双方に入っている。

「提出」ではなく「提出して説明する」と書かれている点に注意したい。書類を投げて終わりにはならない。


7. 5年保存と、保存すべきものの範囲

計画およびその実施状況の記録は、工事完成後5年間保存する(改正前は1年)。

さらに令和5年5月26日施行の第2弾改正以降は、次のものも5年保存の対象になる。

  • 搬出先から交付を受けた受領書の写し
  • 搬出先からさらに別の搬出先へ搬出された場合の、最終搬出先まで確認した書面(令和6年6月1日施行)

最終搬出先までの確認は、搬出先が①国又は地方公共団体が管理する場所、②他工事利用の場合であって当該建設工事の現場等、③国土交通大臣の登録を受けたストックヤード、のいずれかであれば不要になる。この3つ以外に出すと追跡の書面が増える。制度全体の流れは建設発生土の搬出先明確化義務で3段階に分けて整理した。

5年という期間は、工事書類の一般的な保管サイクルより長い。工事ごとのファイルに紛れると散逸するので、発生土の書類だけ別建てで残す運用にしたほうが安全だ。


8. 様式とシステム(建設リサイクル報告様式・コブリス)

国土交通省は「再生資源利用〔促進〕計画様式(建設リサイクル報告様式兼用)現場掲示対応版」をExcel様式として公開している。同ページの説明によれば、この様式は再生資源利用〔促進〕計画書・実施書および計画書の現場掲示様式を作成するためのExcel様式で、マクロは使用していない。記入内容チェックツールもあわせて公開されている。公開されている最新版はv2.1(2024年7月23日公開)だ。

提出方法について、同ページは公共工事の場合、計画書・実施書および現場掲示様式は発注者が指定する方法により作成し提出するとしている。発注者ごとに提出ルールが違うため、Excelで作るのかシステム経由なのかは着工前に確認しておく。

システム面では、建設副産物情報センターが提供する**コブリス・プラス(建設副産物情報交換システム)**がある。国土交通省の資料では、COBRISで掲示様式に必要情報が自動的に記入されると説明されている。


9. よくある抜け漏れ

  • 1,000m³基準のまま運用している。 500m³以上が対象。中規模工事の多くが該当する
  • 搬入側の計画を忘れている。 土砂を500m³以上入れる工事は再生資源利用計画(搬入側)も対象
  • 確認結果票を作っていない/掲示していない。 令和5年5月26日以降契約の工事は計画書とセット
  • 搬出先が増えたのに計画を更新していない。 変更時は速やかに作成し発注者へ報告
  • 受領書をもらっていない。 写しを5年保存。伝票が返らない搬出先は選ばない
  • 保存が1年で止まっている。 完成後5年。受領書・最終搬出先確認書面も同じ

10. まとめ

  • 「利用計画」は搬入側、「利用促進計画」は搬出側。残土を出す工事で作るのは促進計画
  • 作成対象は建設発生土500m³以上(搬入側の土砂も500m³以上)。令和5年1月1日以降に契約する工事に適用
  • 記載の中心は「どこへ、どれだけ出すか」。搬出先が未定だと作れず、確定のたびに作り直しになる
  • 令和5年5月26日以降は確認結果票を添付。盛土規制法の許可等の確認と土壌汚染対策法の手続確認を書く
  • 計画と確認結果票は現場掲示が義務。公開様式に入力すれば掲示様式へ自動転記される
  • 発注者への提出・説明、変更時の報告、完成後の実施状況報告が必要
  • 保存は工事完成後5年。受領書の写しと最終搬出先の確認書面も含む

書類を軽くする方法は一つしかない。着工前に搬出先を確定させることだ。 行き先が決まっていれば計画書は一度で書き上がり、確認結果票も受領書も段取りに載る。

ツチオクは建設発生土・残土のマッチングプラットフォームとして、排出側の土質・数量・時期と受入側の条件を突き合わせる場を提供している。搬出先を早い段階で押さえる手段として活用してほしい。