第1種〜第4種建設発生土の違い|分類基準と再利用条件を一覧整理
第1種〜第4種建設発生土の違い|分類基準と再利用条件を一覧整理
建設発生土は「土砂」とひとくちに言っても、国土交通省の「建設工事で発生する建設発生土等の取扱いについて」により、第1種〜第4種(さらに泥土)に分類される。この分類を正確に把握していないと、搬入先への受け入れ拒否、見積もりの食い違い、法令上のトラブルに繋がる。
本記事では、第1種建設発生土から第4種建設発生土の定義・判別基準・再利用条件を一覧整理し、現場での実務判断に使えるよう解説する。
目次
- 建設発生土の分類体系とその根拠
- 第1種〜第4種の定義と判別基準
- 各種類の再利用条件と搬入先の選択肢
- 土質試験による種類判定の実務手順
- 分類を誤った場合のリスク
- 搬出先を効率よく確保する方法
- まとめ
1. 建設発生土の分類体系とその根拠
建設発生土の分類は、国土交通省の「建設工事に伴い発生する掘削土の再利用に関するガイドライン」および「建設発生土利用技術マニュアル」(国土技術研究センター)に基づく。分類の目的は、土質に応じた適切な利用用途を定めることで、品質不良や環境汚染を防ぐことにある。
分類の軸となる指標は主に以下の3つだ。
- コーン指数(qc): 土の締め固め・安定性を示す指標。単位はkN/m²
- 一軸圧縮強度(qu): 一軸圧縮試験による強度値
- 自然含水比(wn): 土中の水分量の割合
これらの数値によって第1種〜第4種(および泥土)に区分され、各区分で利用可能な用途と搬入できる現場が異なる。
2. 第1種〜第4種の定義と判別基準
| 種類 | コーン指数(qc) | 一軸圧縮強度(qu) | 主な土質 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 第1種 | 800kN/m²以上 | — | 礫質土・砂質土(良質) | 最も品質が高い。盛土材・路床材として直接利用可能 |
| 第2種 | 400kN/m²以上 | — | 砂質土・礫混じり土 | 盛土材として利用可能。含水比が高い場合は乾燥・改良が必要 |
| 第3種 | 200kN/m²以上 | — | 粘性土・シルト質土 | 盛土下部・中層盛土に条件付きで利用可能。改良を要する場合が多い |
| 第4種 | 200kN/m²未満 | — | 高含水比粘性土・有機質土 | 直接盛土材として使用不可。改良・安定処理が必要 |
| 泥土 | — | 50kN/m²未満 | 掘削泥水・軟弱粘性土 | 廃棄物処理法上の「汚泥」に該当する場合がある |
第1種建設発生土
コーン指数800kN/m²以上の良質な砂質土・礫質土が該当する。路床材・路盤材・盛土材として直接使用でき、受け入れ需要が最も高い種類だ。
名古屋・愛知エリアでは宅地造成・農地整備での需要が高く、砂質土の第1種はマッチングプラットフォームで「有償引き取り」(発生側がお金をもらえる)になるケースが全体の15〜20%程度ある。
第2種建設発生土
コーン指数400kN/m²以上。砂礫土・砂質土が中心で、盛土材として広く利用される。含水比が施工限界含水比を超える場合は、乾燥処理や石灰・セメント改良を行ってから搬入先に受け入れてもらう必要がある。
第3種建設発生土
コーン指数200kN/m²以上400kN/m²未満。粘性土・シルト質土が多い。盛土の下部構造や埋め戻し材に条件付きで使えるが、搬入先によっては「第3種以上のみ受け入れ」という条件を設けているところもある。
第4種建設発生土
コーン指数200kN/m²未満。高含水比の粘性土・有機質土が該当する。そのままでは盛土材として使えないため、生石灰やセメント系固化材による改良が前提となる。受け入れ先が限定されるため、早めの搬出先確保が重要だ。
3. 各種類の再利用条件と搬入先の選択肢
| 種類 | 主な用途 | 搬入可能な現場の例 | 受入費の目安 |
|---|---|---|---|
| 第1種 | 路床材・盛土・裏込め材 | 道路工事・宅地造成・農地整備 | 0円〜有償(土質次第) |
| 第2種 | 盛土・路体盛土 | 宅地造成・防災工事・農地整備 | 0〜500円/m³ |
| 第3種 | 盛土下部・埋め戻し | 造成・農地整備(条件付き) | 500〜1,500円/m³ |
| 第4種 | 改良後の盛土 | 改良設備のある処分場のみ | 1,500〜3,000円/m³ |
| 泥土 | 産廃処理(脱水・固化) | 産廃処理業者 | 5,000円〜/m³ |
第1種・第2種の良質土は搬入先が豊富で費用も安い。一方、第4種・泥土は搬入先が限られるため、早期に処分先を確保しないと工事スケジュールに支障が出る。
4. 土質試験による種類判定の実務手順
現場での種類判定は以下の手順で行う。
ステップ1: 目視・簡易試験 土の色・粒径・可塑性(こね具合)から仮判定する。砂礫質は第1〜2種、粘土質・黒色土は第3〜4種の可能性が高い。
ステップ2: コーン貫入試験 ポータブルコーン貫入試験器を使い、コーン指数(qc)を計測する。現場での簡易判定に有効で、大型工事では標準的に実施される。
ステップ3: 室内土質試験 公共工事や大規模工事では、採取サンプルを室内試験(粒度試験・液性限界試験・一軸圧縮試験)に供して種類を確定する。種類を証明する試験成績書が搬入先への提示資料になる。
ステップ4: 搬入先への種類申告 土質試験の結果を書面で搬入先に提出する。申告と実際が異なると受け入れ拒否・追加費用の原因になる。
試験費用は、室内試験一式で3〜8万円程度が一般的だ。費用が大きい場合は、コーン貫入試験のみで仮分類し、搬入先との事前協議を経て受け入れ条件を確認するケースも多い。
5. 分類を誤った場合のリスク
発生土の種類を誤申告した場合、以下のリスクが生じる。
受け入れ拒否・返戻 搬入先で土質確認を行った際に種類不一致が判明すると、ダンプトラックごと返送される。往復の運搬費が無駄になるだけでなく、工程遅延につながる。
追加費用の発生 第2種として申告した土が第4種相当だった場合、搬入先での追加改良費が発生し、当初見積もりを大幅に超えるコストになる。
法令上のリスク 泥土(廃棄物処理法上の汚泥)を建設発生土として処分した場合、不法投棄に該当するリスクがある。土の状態が泥土に近い場合は、産廃業者への確認を必ず行う。
6. 搬出先を効率よく確保する方法
第1種・第2種の良質土は搬入需要が多く、ツチオクの出品ページ(/sell)から案件を登録すると複数の受入先から入札を受けることができる。
第4種や含水比の高い土は条件交渉が必要になるが、受け入れ先一覧(/area)で土質条件ごとの受入先を絞り込むことで、時間をかけずに候補先を特定できる。
土質種類が確定していない段階でも、仮分類・概算ボリュームで案件を登録し、受入先と条件を詰めるかたちで進めることが多い。
まとめ
建設発生土の第1種〜第4種の分類は、コーン指数(qc)を主な基準として決まる。各種類の再利用条件と受け入れ費用の差は大きく、第1種は有償引き取りの可能性があるのに対し、第4種は改良費込みで1,500〜3,000円/m³のコストがかかる。
現場での実務では、コーン貫入試験による早期判定と、搬入先への正確な申告が費用・工程管理の鍵になる。搬出先の確保は工事着工前から始め、土質種類に応じた条件交渉を早期に行うことが重要だ。
→ 建設発生土の処分費用の相場を確認する → 残土処分業者の選定基準を見る