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残土処分のDX化|紙伝票からアプリ管理への移行ステップ

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残土処分のDX化|紙伝票からアプリ管理への移行ステップ

建設現場の残土処分は、今もFAX・電話・紙の伝票で管理されているケースが多い。「搬出先はベテランの担当者しか知らない」「搬出記録を探すのに30分かかる」という状況が続いている。

本記事では、残土処分業務のどこにDX化の余地があるかを整理し、低コストで始められるデジタル管理への移行ステップを解説する。


目次

  1. 残土処分の現状:紙管理が生む非効率
  2. DX化で改善できる4つのポイント
  3. 移行ステップ1: 搬出記録のスプレッドシート化
  4. 移行ステップ2: 施工管理アプリとの連携
  5. 移行ステップ3: マッチングプラットフォームの活用
  6. DX化の費用と期待効果
  7. まとめ

1. 残土処分の現状:紙管理が生む非効率

残土処分の管理で現場が抱える典型的な課題を整理する。

情報が担当者個人に集中する 搬出先の業者・受入地の担当者連絡先・受入条件が担当者個人のスマートフォンや手帳に管理されている。担当者が不在・退職した場合に情報が引き継がれない。

搬出記録の検索が困難 紙の搬出記録は現場事務所のファイルに保管されるが、「○月○日に搬出した量と搬出先」を後から確認しようとすると大量の紙をめくる必要がある。

費用の実績管理ができない 搬出費用が実際にいくらかかったか、当初予算と比較してどうかを集計する作業が後追いになる。工事完成後に「予算オーバーだったが理由がわからない」という状況が生じる。

行政・顧客への報告が手間 発注者からの「搬出先と搬出量の証明」を求められた際に、紙の記録を探して集計・コピーする作業が生じる。


2. DX化で改善できる4つのポイント

残土処分のDX化が効果を発揮するのは以下の4点だ。

ポイント1: 搬出記録の即時入力・共有 現場担当者がスマートフォンから搬出記録を入力することで、事務所への持ち帰り作業が不要になる。複数の現場の記録が一元管理できる。

ポイント2: 搬出先情報のデータベース化 受入先の情報(事業者名・所在地・担当者・受入条件・受入費履歴)をデータベースに登録することで、次の工事での再利用・比較が容易になる。

ポイント3: 費用実績の自動集計 搬出量・受入費・搬送費の記録から処分費の実績を自動集計する。予算との差異をリアルタイムで把握できる。

ポイント4: 搬出証跡の自動作成 搬出記録が電子化されると、発注者・顧客への報告書作成が自動化・半自動化できる。


3. 移行ステップ1: 搬出記録のスプレッドシート化

最も低コストで即時導入できる第一歩が、搬出記録のスプレッドシート化だ。

必要なもの

  • Googleスプレッドシートまたは Microsoft Excel(無料〜低コスト)
  • 現場担当者のスマートフォン(入力端末)

スプレッドシートの設計例

入力項目 入力例
搬出日 2026/03/15
工事名 ○○宅地造成工事
搬出量(m³) 120
車両台数 12
車両番号(代表) 愛知 100 あ 1234
搬出先名称 △△建設 ○○現場
搬出先住所 春日井市○○町○番地
受入費(円/m³) 0
搬送費(円/m³) 2,800
担当者 田中
備考 午前のみ搬出。翌日に残120m³搬出予定

Googleスプレッドシートはスマートフォンのアプリから入力できる。クラウド共有により、現場・事務所・管理職がリアルタイムで同じデータを参照できる。


4. 移行ステップ2: 施工管理アプリとの連携

スプレッドシートでの管理に慣れた後、施工管理アプリへの移行が選択肢になる。

施工管理アプリで残土管理に活用できる機能

  • 日報機能:その日の搬出量・搬出先を施工日報に記録
  • 写真管理:搬出前後の現場写真・搬出先写真を日報に紐付け
  • 工程表連携:搬出スケジュールを工程表と連動
  • 帳票出力:搬出記録を自動集計してPDF出力

主な施工管理アプリ(ANDPAD、Buildee、Stock等)では、カスタムフォームで残土搬出の記録項目を自由に設計できる。

導入コストの目安 施工管理アプリの月額利用料は1ユーザーあたり3,000〜8,000円程度。10人規模の会社で月3〜8万円が目安だ。初期設定の工数(1〜2日)が別途かかる。


5. 移行ステップ3: マッチングプラットフォームの活用

搬出先の確保自体をデジタル化する最終ステップが、マッチングプラットフォームの活用だ。

従来の搬出先確保のプロセス(アナログ)

  1. 電話で産廃業者に連絡(複数社)→ 見積もり取得
  2. FAXで受入条件の確認
  3. 契約書の郵送・押印・返送
  4. 電話で搬出スケジュールの調整

このプロセスで1案件あたり4〜8時間の工数がかかっていた。

ツチオクを使った場合のプロセス(デジタル)

  1. スマートフォン・PCで案件情報を入力(30分程度)
  2. 入札者からのオファーをプラットフォーム上で確認
  3. 落札者をオンラインで選定
  4. チャット・電話で詳細条件を確認
  5. プラットフォーム上で取引確定

搬出先確保の工数が大幅に削減され、取引記録もプラットフォーム上に残る。紙の契約書・帳票が不要になる。


6. DX化の費用と期待効果

残土処分DX化の費用対効果を試算する。

小規模建設会社(年間残土処分10現場・各500m³)の場合

項目 現状(アナログ) DX化後
搬出先確保工数 6時間×10現場 = 60時間 1時間×10現場 = 10時間
事務工数削減 50時間/年削減
処分費削減(マッチング活用) 1m³あたり2,000円 1m³あたり1,200円
処分費削減額/年 800円×5,000m³ = 400万円
DX化コスト(スプレッドシート) 0円 0円
DX化コスト(施工管理アプリ) 月5万円×12 = 60万円/年
純削減効果 事務50時間+処分費400万円

※本試算は特定の仮定値に基づくシミュレーションです。実際の削減額は現場条件・土質・搬出先の競合状況により異なります。


まとめ

残土処分のDX化は3段階で進める。

  1. スプレッドシートで搬出記録を電子化する(コストゼロ・即時導入可能)
  2. 施工管理アプリと連携して施工日報・工程と統合する(月3〜8万円)
  3. マッチングプラットフォームで搬出先確保をデジタル化する(無料登録)

最も効果が高いのはステップ3のマッチングプラットフォーム活用で、処分費削減効果が年間数百万円になる事例がある。ステップ1(スプレッドシート)はコストゼロで今日から始められる。

建設業のDX化は大がかりなシステム導入から始める必要はない。残土処分の記録管理というピンポイントの課題から着手することで、DX化の効果を体感しやすい。