活用事例

道路工事における発生土の取扱い|路盤材リサイクルの活用例

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道路工事における発生土の取扱い|路盤材リサイクルの活用例

道路工事は建設発生土の主要な排出源の一つだ。新設道路の建設から舗装の打ち直しまで、工事の種類によって発生する土砂の量・土質・処理方法が大きく異なる。

本記事では、道路工事における発生土の種類と特徴、路盤材としてのリサイクル活用の実例、搬出先選定の実務ポイントを解説する。


目次

  1. 道路工事で発生する土砂の種類
  2. 路盤材としてのリサイクルが可能な条件
  3. 路盤材リサイクルの活用事例
  4. リサイクルできない残土の処理ルート
  5. 発生土の搬出コスト試算
  6. 受入先の事前確保が工期を守る
  7. まとめ

1. 道路工事で発生する土砂の種類

道路工事の種類と、それぞれで発生する土砂の特徴は以下の通りだ。

新設道路・道路拡幅工事 切土・盛土設計に基づき、切土区間から大量の土砂が発生する。土質は地山条件によって礫質土・砂質土・粘性土と様々。路線が長くなるほど切土量は増加し、数千m³〜数万m³に及ぶ大型工事も多い。

道路改良工事 既存道路の線形改良・幅員拡幅で発生する土砂。既設の舗装材(アスファルト混合物・コンクリート)の撤去に伴い、廃材と土砂が混在することがある。廃材は産廃として分別処理が必要であり、土砂との分別作業が重要だ。

舗装工事(路床・路盤の改良) 路床(舗装直下の地盤)の不良部を交換する工事で、軟弱な粘性土や膨張性の高い土砂が発生する。含水比が高い場合は改良処理(石灰安定処理等)が必要になる。

下水道・電線共同溝等の埋設工事 道路下の管路工事では、掘削断面が狭く深い形状になるため発生土が絞り出される。地下水位が高い場所では含水比の高い土砂が発生しやすい。


2. 路盤材としてのリサイクルが可能な条件

道路工事で発生した土砂が路盤材として再利用できるかどうかは、以下の条件で判断される。

物理的条件

項目 路盤材として適合する目安
最大粒径 53mm以下(上層路盤)または75mm以下(下層路盤)
PI(塑性指数) 9以下(上層路盤)、12以下(下層路盤)
CBR 上層路盤:80%以上(修正CBR)、下層路盤:30%以上
含水比 最適含水比±3%以内が望ましい

砂礫質土・クラッシャーランを主体とした締め固め材として、条件を満たす土砂は路盤材として十分活用できる。

法令・規格の要件

  • 国土交通省「建設発生土利用技術マニュアル」に適合すること
  • 再生路盤材の品質基準(JIS A 5001など関連規格)を満たすこと
  • 汚染の懸念がない土砂であること(土壌汚染対策法の調査結果を含む)

3. 路盤材リサイクルの活用事例

事例1: 幹線道路の切土を近隣の地方道路工事の路盤材に活用(愛知県) 県道改良工事で発生した礫質土(第1種発生土)約3,200m³を、隣接する市道の新設工事の下層路盤材として搬入した事例。搬送距離8km・受入費0円(工事間流用)を実現し、処分コストを350万円削減した。

土質試験でCBR 45%以上・PI 4を確認し、改良なしで路盤材として採用できた。工事間の調整は県の建設発生土情報交換システムを活用して搬出側・受入側がマッチングした。

事例2: 舗装撤去土と路床改良材の分別再利用(岐阜県) 国道の舗装打ち替え工事で、アスファルト廃材と路床改良土を分別処理。路床改良土のうち石灰安定処理を行ったものをサービス道路の盛土材として再利用。廃材は再生アスファルト混合物として別途リサイクルした。

分別処理の徹底により、廃材の産廃処理費と発生土の処分費を合計で約180万円削減した。


4. リサイクルできない残土の処理ルート

路盤材基準を満たさない残土(高含水比粘性土・膨張性土など)は、以下のルートで処理する。

改良処理後の盛土材 石灰・セメント系固化材による改良処理で、軟弱な土砂を盛土材に転換する。改良コストは1m³あたり3,000〜8,000円程度。改良後は第3〜第4種発生土として活用できる場合がある。

建設発生土受入地への搬出 改良が困難な土砂は、造成工事・農地整備等の受入地に搬出する。受入費は土質・受入地の条件によって無料から2,000円/m³以上まで幅がある。

処分場への搬入 受入先が見つからない場合の最終手段。処分場の受入費(1,500〜4,000円/m³)に加え搬送費が発生する。


5. 発生土の搬出コスト試算

道路工事1km(片側1車線、土工量1,000m³と仮定)の発生土処理コスト比較。

処理方法 受入費 搬送費(片道20km) 合計
路盤材として工事間流用 0円 往復で同等コストを相殺 0円
近隣受入地への搬出 0〜800円/m³ 2,500〜4,000円/m³ 250〜480万円
処分場搬入 1,500〜3,000円/m³ 2,500〜4,000円/m³ 400〜700万円

工事間流用(同一現場あるいは同一事業者の別工事での自己使用)が最もコストを抑えられるが、工事のタイミング・場所が合わない場合は近隣受入地の確保が次善策だ。


6. 受入先の事前確保が工期を守る

道路工事では「残土が出たが搬出先が決まらない」という状況が工期遅延に直結する。特に切土量の多い工区では、残土の搬出が詰まると全体工程に影響が及ぶ。

搬出先確保の推奨タイミングは以下の通りだ。

  • 工事契約後・着工前(理想は4〜6週間前)に搬出先の目途をつける
  • 工事中の土質変化(当初予測より含水比が高かった等)に備えて複数候補を持つ
  • 工事間流用・近隣受入地・処分場の3段階の搬出先候補を工事計画書に記載する

ツチオクを活用すると、搬出先候補の検索・条件確認・合意が工事着工前から始められる。複数の受入候補から条件を比較して選定できるため、急ぎでの依頼による割高な処分費を避けられる。


まとめ

道路工事で発生する土砂の処理方法は、土質・含水比・汚染の有無によって大きく異なる。路盤材としての工事間流用が最も経済的だが、条件が合わない土砂は近隣受入地または処分場への搬出が必要になる。

コスト削減のポイントは2点だ。

  1. 路盤材基準(CBR・PI・含水比)を事前に確認し、流用可能な土砂を最大化する
  2. 着工前から搬出先を確保し、工期遅延と急ぎ依頼による割高処分費を回避する

搬出先の確保が早いほど、選択肢が広がり条件交渉が有利になる。